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業種別10分2026年4月23日

医療・介護のM&A:許認可承継と「人」が決めるディール

医療・介護のM&A:許認可承継と「人」が決めるディール

医療・介護分野のM&Aは、医療法人・社会福祉法人特有の制度・許認可・人材確保という、他業種にはない独自論点があります。経営者高齢化が進む業界での承継ニーズの高まりと、買い手・売り手双方の留意点を整理します。

医療・介護M&A市場:制度改革と業界再編の波

日本の医療・介護業界は、診療報酬改定・介護報酬改定の継続的な引き下げと、経営者の高齢化が同時進行しており、M&Aによる業界再編が加速しています。

特に、地域の中小医療法人・小規模介護事業者の事業承継ニーズが急増しており、大手医療グループや投資ファンドが買い手として積極的に動いています。一方、新規参入の高い障壁により、買い手にとっては「ゼロから立ち上げるより、既存事業の買収のほうが圧倒的に効率的」という構造があります。

医療法人M&Aの特殊性:「持分」と「役員交代」

医療法人のM&Aは、株式会社の株式譲渡とは構造が異なります。【1】持分あり医療法人:旧法に基づく医療法人で、出資持分を譲渡する形式。【2】持分なし医療法人(基金拠出型・社会医療法人等):持分が存在しないため、「役員(理事・監事)の交代」と「基金の返還・新規拠出」の組み合わせで実質的に経営権を移転する。

持分なし医療法人の場合、経営者が受け取れる対価は基金返還額に限られ、それ以上のオーナー利益を実現する設計には専門的な知見が必要です。M&Aアドバイザーと医療業界に詳しい税理士・弁護士のチームで進めることが鉄則です。

介護事業のM&A:許認可と人員配置

介護事業のM&Aは、事業者指定(介護保険法に基づく許可)の承継が最重要論点です。【1】指定の承継可否:事業譲渡で介護事業者指定が承継できるかは、サービス種別・自治体によって異なる。事前確認が必須。

【2】人員配置基準

介護事業は法令で定められた人員配置基準(介護職員・看護職員・生活相談員等の最低人数)を遵守する必要がある。M&A後に基準割れが発生すると指定取消リスク。

【3】従業員(介護福祉士等)の継続雇用

資格保有者の離職は事業継続を脅かす。離職を防ぐM&A発表設計と、定着インセンティブの組み込みが鍵。

医療・介護M&Aで評価される「無形資産」

【無形資産1】地域での評判・ブランド

地域住民・医師会・自治体からの信頼。長年の事業継続で蓄積された無形価値。

【無形資産2】医師・看護師・介護士の人材定着

資格保有者の確保が買い手の最大の関心事。離職率の低さ・採用力・育成体制が評価される。

【無形資産3】病床・定員数

医療法人の病床数、介護事業の定員数は、新規取得が困難なため希少価値が高い。

【無形資産4】地域連携

地域包括ケアシステムにおける位置づけ、他医療機関・介護事業者との連携実績。

まとめ:専門知見を持つアドバイザーが不可欠

医療・介護M&Aは、制度・法令・許認可・人材という独自の複雑さを抱えています。一般的なM&Aアドバイザーでは対応しきれない領域もあるため、業界特化型の経験を持つアドバイザーを選ぶことが極めて重要です。

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