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アドバイザー選び12分2026年10月13日

M&Aアドバイザーの選び方:事業売却の相談先5種類と、比較で失敗しない8つのチェックポイント

M&Aアドバイザーの選び方:事業売却の相談先5種類と、比較で失敗しない8つのチェックポイント

事業売却の相談先は、M&A仲介会社・FA・金融機関・士業・公的な支援機関の5種類です。それぞれの役割と向いているケースを整理したうえで、M&Aアドバイザーを比較するときの8つのチェックポイントと、初回相談で確認したい質問をまとめます。

結論:M&Aアドバイザーの選び方は3ステップ(早わかり)

M&Aアドバイザーの選び方を先に結論からまとめると、次の3ステップです。【1】事業売却の相談先にはどんな種類があり、それぞれ何をしてくれるのかを知る。【2】自社の規模・業種・売却の目的に合う相談先を2〜3社に絞り込む。【3】初回相談で同じ質問を投げかけ、料金・スタンス・担当者の相性を並べて比較してから決める。

よくある失敗は「最初に相談した1社にそのまま任せてしまう」ことです。料金体系も、担当者の経験も、案件で取る立場も会社ごとに違います。契約は一度結ぶと簡単には切り替えられないため、比較してから選ぶだけで条件も納得感も大きく変わります。

以下では、相談先の種類、仲介とFAのスタンスの違い、選ぶときのチェックポイント、初回相談で聞くべき質問の順に整理します。売却全体の流れを先につかみたい方は「会社を売りたいと思ったら:M&A売却の始め方と、相談から成約までの流れ」もあわせてご覧ください。

事業売却の相談先は5種類:仲介会社・FA・金融機関・士業・公的な支援機関

「M&Aアドバイザー」と一口にいっても、事業売却の相談先にはいくつかの種類があります。どこに相談するかで、紹介される買い手の幅や費用、進め方が変わります。代表的なのは次の5種類です。

【1】M&A仲介会社:売り手と買い手の間に立って、相手探しから交渉、契約までをまとめます。買い手候補のネットワークを持ち、中小企業の事業売却では最も一般的な相談先です。

【2】FA(ファイナンシャル・アドバイザー):売り手か買い手のどちらか一方に付き、その側の利益のために動きます。条件交渉を重視したい場合や、複数の買い手候補を競わせたい場合に選ばれます。

【3】金融機関(銀行・信用金庫など):取引先の事業承継支援の一環として、M&Aの相談に乗ってくれます。自行で仲介まで担う場合と、提携するM&A会社を紹介する場合があります。普段の取引関係があるので相談しやすい一方、紹介先が提携先に限られることがあります。

【4】士業(税理士・公認会計士・弁護士):顧問税理士は、売却を考え始めた経営者が最初に相談することの多い相手です。株価の算定や税務、契約書の確認といった専門領域を担います。相手探しまで行う事務所は限られるため、仲介会社やFAと組んで進めるのが一般的です。

【5】公的な支援機関:国が各都道府県に設置している事業承継・引継ぎ支援センターでは、事業承継やM&Aの相談を無料で受け付けています。小規模な案件の相手探しや、民間の専門家の紹介も行っています。

これらは「どれか1つを選ぶ」ものではありません。たとえば顧問税理士に現状を相談し、仲介会社やFAを2〜3社比較し、契約書は弁護士に確認してもらう、というように組み合わせて使うのが現実的です。

仲介・売り手FA・買い手FAの3つのスタンス

M&A仲介会社やFAを比較するときに押さえておきたいのが、案件で取る「スタンス」の違いです。【1】仲介:売り手と買い手の双方と契約し、両者の間に立ってディールをまとめる。【2】売り手FA:売り手側に専属して、売却価格や条件の最大化を支援する。【3】買い手FA:買い手側に専属して、買収の実行を支援する。

仲介は窓口が一本化されて進行が速い一方、両者から報酬を受け取るため、売り手の利益だけを最優先する構造ではありません。FAは一方の利益に専念できる一方、相手側との調整に時間がかかることがあります。どちらが正解ということはなく、自社が何を優先したいかで向き不向きが分かれます。役割・報酬・利益相反の違いは「M&A仲介とFAの違い:役割・報酬・利益相反から見る、自社に合った選び方」、買い手側に付くFAの仕組みは「「買い手FA」とは何か:M&A仲介との違いと、売り手が知っておきたいメリット・留意点」で詳しく整理しています。

注意したいのは、このスタンスが会社ごとに固定されているわけではない点です。日本の多くのM&A会社は、案件によって仲介・売り手FA・買い手FAを使い分けています。「この会社は仲介専業だから」と思い込まず、自社の案件でどの立場を取るのかを確認することが大切です。

M&Aアドバイザーを選ぶ8つのチェックポイント

【1】自社の業種・規模に合った実績があるか:業種・規模帯ごとに評価のポイントや買い手のネットワークが異なるため、同業種・同規模の実績を確認する。

【2】担当者個人の経験・スキル:会社の看板ではなく、実際に担当するコンサルタントの経験と相性を確認する。

【3】料金体系の透明性:着手金・中間金・月額報酬・成功報酬の内訳と、成功報酬の計算の基準(株価か、負債を含む総額か)を書面で確認する。

【4】自社の案件でどのスタンスを取るか:「本件では、仲介・売り手FA・買い手FAのどの立場で動きますか」を契約前に確認する。

【5】秘密保持の対応:情報管理のルールや、漏洩時の対応を事前に確認する。

【6】成約後のフォロー体制:引継ぎや統合(PMI)まで含めた支援があるかを確認する。

【7】複数社に相談して比較する:1社だけで判断せず、2〜3社に相談して比較する。

【8】「売却ありき」で進めないか:売却が最適とは限らない場合に、正直にそう伝えてくれる相手を選ぶ。

料金を比較するときは、報酬の発生の仕方の違いを「会社売却の手数料の仕組み:仲介モデルとFAモデルの料金構造を整理する」で、成功報酬の具体的な計算を「M&Aのレーマン方式とは:手数料の計算方法と、会社売却にかかる費用の総額を試算する」で確認できます。

初回相談・面談で確認したい質問

候補を2〜3社に絞ったら、初回相談では各社に同じ質問を投げかけると比較しやすくなります。確認しておきたいのは次のような点です。

・自社と同じ業種・規模の案件を、直近でどのくらい手がけたか。・本件を実際に担当するのは誰か。途中で担当者が変わることはあるか。・本件では仲介・売り手FA・買い手FAのどの立場で動くか。・着手金・中間金・成功報酬はそれぞれいくらで、成功報酬は何を基準に計算するか。・契約期間はどのくらいか。契約を終えた後も報酬が発生する期間(テール期間)はあるか。・ほかの専門家に並行して相談することは認められるか。・想定される買い手候補のイメージと、売却までの期間の見通しはどうか。

答えの中身だけでなく、答え方にも注目します。都合の悪い点も具体的に説明してくれるか、売却を急がせるような言い方をしないかは、契約後の進め方を映します。スタンスの確認の仕方は「同じM&A会社でも、案件によってスタンスは変わる:契約前に必ず確認したい5つの質問」、契約条項で見落としやすい点は「M&Aアドバイザーとの専任契約・テール条項の落とし穴:売り手が見落とすポイント」で詳しく解説しています。

M&A支援機関登録制度で確認できること

相談先の候補を絞るときの目安の1つが、中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」です。2021年に始まった制度で、仲介会社やFAなどの支援機関が登録し、国が定める「中小M&Aガイドライン」を守ることを宣言しています。登録機関の一覧は公開されており、誰でも確認できます。

ガイドラインでは、手数料の体系や契約期間、テール条項の範囲などを、契約前に依頼者へわかりやすく説明することが求められています。登録しているかどうかは品質の保証ではありませんが、少なくともこうした説明を受ける前提で相談できるという意味で、比較の入り口として役立ちます。また、事業承継・M&A補助金で専門家の費用を補助の対象にする場合は、登録機関への依頼であることが要件になっています。

M&Aプロフェッショナルズでは、登録M&A支援機関を都道府県別に一覧できるほか、M&A会社の料金体系やコンサルタントの経歴を比較できます。地元の相談先を探すときの手がかりにしてください。

まとめ:相談先の種類を知り、同じ質問で比較してから選ぶ

M&Aアドバイザー選びで大切なのは、事業売却の相談先にどんな種類があるかを知り、自社に合う候補を2〜3社に絞り、同じ質問で比較してから決めることです。仲介とFAのどちらが正解ということはなく、自社の案件でどの立場を取り、どんな体制で支援してくれるかで判断します。

アドバイザー選びを含め、売り手経営者が陥りやすい失敗は「M&Aはなぜ失敗するのか:売り手経営者が陥る10の落とし穴と回避策」で整理しています。M&Aプロフェッショナルズでは、M&A仲介会社やFAの特徴・料金体系・担当コンサルタントを比較し、目的に合う専門家に相談できます。

登録M&A支援機関2,590社の手数料データ

中小企業庁に登録されたM&A支援機関の最低手数料は、中央値で300万円です。 価格帯の分布や算定方式、都道府県ごとの傾向をまとめています。

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