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基礎知識8分2026年4月20日

廃業 vs M&A:「最後の選択」の前に必ず検討すべき4つのポイント

廃業 vs M&A:「最後の選択」の前に必ず検討すべき4つのポイント

事業承継の選択肢として「廃業」を考える経営者は少なくありません。しかし廃業は従業員の雇用・取引先関係・経営者個人の手取り額のすべてを失う「最後の選択」です。廃業前に必ず検討すべき4つのポイントを整理します。

廃業の選択は本当に「最善」か

中小企業庁の調査では、年間およそ4万件の中小企業が休廃業・解散しています。後継者不在・経営者の体力的限界・業績悪化等が主な理由ですが、その多くで「M&Aを検討する余地があった」と専門家は指摘しています。

廃業は経営者にとって「楽な選択肢」に見えがちですが、実は失うものが極めて大きい意思決定です。本記事では、廃業の前に必ず検討すべき4つのポイントを整理します。

ポイント①:従業員の雇用

廃業を選ぶと、従業員は全員が職を失います。長年支えてきてくれた従業員に対して、退職金を支払う・転職を支援する義務を、経営者は最後の責任として全うする必要があります。

M&Aによる事業承継であれば、買い手企業による継続雇用が原則です。新オーナーの経営方針次第ですが、多くのケースで全従業員の雇用が維持されます。

従業員の家族の生活も含めると、廃業による影響範囲は数十人〜数百人に及びます。「自分の決断で何人の人生が変わるか」を冷静に考えてみる必要があります。

ポイント②:取引先・地域社会への影響

長年取引してきた仕入先・販売先・協力会社にとって、対象企業の廃業は重大な影響を与えます。仕入先は売上を失い、販売先は商品調達ルートを失い、協力会社は仕事を失います。

地域社会の視点では、雇用の喪失・地域経済の縮小・税収の減少が発生します。地方の中小企業が廃業を選ぶことで、地域全体の活力が失われるケースも少なくありません。

M&Aであれば、これらの関係性を維持しながら、新オーナーの経営資源で事業を発展させる可能性が生まれます。

ポイント③:経営者個人の手取り額

廃業時の経営者の手取り額は、想像より少なくなることが大半です。資産売却(不動産・設備・在庫等)の換金額は簿価を大きく下回るケースが一般的で、さらに法人税・所得税・社会保険清算等で目減りします。

M&Aによる売却対価は、純資産だけでなく「のれん(営業権)」が加算されるため、廃業時の換金額の2〜5倍になることも珍しくありません。

【廃業時の試算例】純資産1億円・営業利益5,000万円の会社

廃業時の手取り 約4,000万円(資産売却損・税金等を控除後)、M&A時の対価 約3億円(年買法:純資産1億円+営業権1.5億円〜2億円)。

この差額は、経営者の老後資金・第二の人生の選択肢を大きく変える金額です。

ポイント④:「うちのような小さな会社」も売れる

廃業を選ぶ経営者の多くは「うちのような小さな会社をM&Aで買う人なんていない」と思い込んでいます。しかし、近年のスモールM&A市場では、年商1億円未満・従業員5名未満の小規模企業でも買い手候補が現れるケースが多数あります。

M&Aプラットフォーム(バトンズ・トランビ等)・地域の事業承継センター・M&Aアドバイザーへの相談で、想像以上の買い手候補が見つかる可能性があります。

「売れる/売れない」を自己判断する前に、まずは複数の専門家に無料で相談することを強くおすすめします。

まとめ:「相談だけは絶対にする」のが鉄則

廃業の最終決断をする前に、必ず複数のM&A専門家に相談してください。1社のアドバイザーに「売れない」と言われても、別のアドバイザーなら買い手候補を持っている可能性があります。

M&Aプロフェッショナルズには、買い手FAに特化したM&Aアドバイザーが多数掲載されており、無料で複数社に並行相談できます。「廃業しかない」と思っている経営者にこそ、ぜひ一度ご相談いただきたいサービスです。

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