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基礎知識14分2026年7月6日

会社を売りたいと思ったら:M&A売却の始め方と、相談から成約までの流れ

会社を売りたいと思ったら:M&A売却の始め方と、相談から成約までの流れ

会社を売りたいと考え始めたら、まず全体像を知ることが失敗を避ける第一歩です。本記事は、売却の目的整理から相談先選び、企業価値の把握、相手探し、交渉・デューデリジェンス、最終契約、そして売却後までを、初めての経営者向けに「相談から成約までの流れ」として一気通貫で整理する売り手向けの完全ガイドです。

結論:会社売却は「7つの段階」で進む(相談から成約まで早わかり)

会社売却(M&A)は、思い立ってすぐ売れるものではなく、いくつかの段階を踏んで進みます。初めての経営者がまず押さえるべき全体の流れは、次の7段階です。

(1)目的とタイミングの整理、(2)相談先(アドバイザー)の選定、(3)企業価値の把握と準備、(4)相手先の探索とマッチング、(5)交渉と基本合意、(6)デューデリジェンス(買い手による調査)、(7)最終契約とクロージング(引継ぎ)。全体の期間はおおむね半年から1年程度が目安ですが、会社の状況によって前後します。

最初の一歩は、「なぜ売るのか」を自分の言葉で整理し、信頼できる相談先を見つけることです。売却は情報管理が重要なため、我流で買い手に接触する前に、まず専門家に相談して進め方の設計図を持つことが、条件面でも安全面でも有利に働きます。

以下では、各段階で売り手が何をすべきか、どこでつまずきやすいかを、順を追って整理します。

ステップ1:なぜ売るのか・いつ売るのかを整理する

最初にやるべきは、売却の「目的」を言語化することです。目的が定まると、優先すべき条件(価格・従業員の雇用継続・引継ぎ期間・取引先との関係など)が決まり、その後の判断がぶれなくなります。

目的は経営者によってさまざまです。後継者がいないための第三者承継、さらなる成長のためのグループ入り、創業者利益の確保、複数事業の選択と集中などが代表例です。後継者問題が起点なら「事業承継 vs M&A:後継者問題に直面した経営者の意思決定フレームワーク」や「廃業 vs M&A:「最後の選択」の前に必ず検討すべき4つのポイント」、成長を狙うなら「成長のための会社売却:スケール加速を狙う「グループ入り」という戦略的選択」が参考になります。

あわせて「いつ売るのか」も重要です。業績が伸びている局面ほど評価されやすく、経営者の年齢や体力、業界環境も判断材料になります。動き出す目安は「会社売却のベストタイミング:経営者が判断すべき5つのサイン」で整理しています。

ステップ2:相談先を選ぶ(仲介・買い手FA・売り手FAの違い)

売却を具体的に進めるには、M&Aの専門家に相談するのが一般的です。相談先には大きく「M&A仲介会社」「買い手FA」「売り手FA」があり、立場と報酬の仕組みが異なります。

M&A仲介は売り手と買い手の間に立って成約を目指す形、FA(ファイナンシャル・アドバイザー)は売り手または買い手の一方について、その利益の最大化を担う立場です。それぞれの役割・報酬・利益相反の違いは「M&A仲介とFAの違い:役割・報酬・利益相反から見る、自社に合った選び方」と「「買い手FA」とは何か:M&A仲介との違いと、売り手が知っておきたいメリット・留意点」で整理しています。

どの形が自社に合うかは、売却の目的や規模、手数料の考え方によって変わります。選び方の観点は「M&Aアドバイザーの選び方:仲介会社・買い手FA・売り手FAの違いと選び方ガイド」にまとめています。複数の専門家を比較し、自社の目的に沿って中立に選ぶことが大切です。

ステップ3:会社の価値を把握し、準備を整える

相談と並行して、自社がどのくらいの価値で評価されうるかを把握します。中小企業のM&Aでは、純資産に数年分の利益(のれん)を加える方法や、EBITDAの倍率で見る方法などが使われます。評価の基本は「会社の値段はどう決まるのか:中小企業M&Aで使われる3つの企業価値評価方法」で解説しています。

評価を左右する「目に見えない価値」については「のれん(営業権)とは:M&A価格を左右する「目に見えない価値」の正体」、スタートアップなど成長企業の相場観は「スタートアップのM&A相場とバリュエーション:売却価格はどう決まるか」も参考になります。

準備段階では、決算書3期分・主要な契約・許認可・従業員や取引先の情報などを整理します。後の調査(デューデリジェンス)で慌てないよう、早めに整えておくほど有利です。準備すべき領域は「デューデリジェンス(DD)への準備:売り手が事前に整えておくべき5つの領域」にまとめています。

ステップ4:相手先を探し、交渉して基本合意に至る

準備が整ったら、買い手候補の探索に入ります。まず会社名を伏せた「ノンネームシート」で概要を提示し、関心を示した相手にだけ、秘密保持契約を結んだうえで詳細資料(企業概要書=IM)を開示します。この文書設計は「ノンネームシートとIM(企業概要書):M&Aの「最初の関門」を勝ち抜く文書設計」で解説しています。

売却プロセスでは、情報が漏れると従業員の動揺や取引への影響を招きかねません。誰に・いつ・何を伝えるかの管理は「秘密保持と従業員への伝え方:売却プロセスで売り手が必ず守るべき情報管理」で整理しています。

買い手候補と条件をすり合わせ、価格や大枠の条件で合意できたら「基本合意書(意向表明)」を締結します。ここで決まる価格や独占交渉権は、その後の交渉の土台になります。

ステップ5:デューデリジェンスと最終契約(クロージング)

基本合意の後、買い手は財務・法務・労務などの観点から会社を詳しく調べます。これがデューデリジェンス(DD)です。ここで問題が見つかると価格の引き下げや条件変更につながるため、準備段階での整理が効いてきます。

DDを踏まえて最終契約書(株式譲渡契約書=SPA)を締結します。売り手が負う「表明保証」や、価格調整・誓約事項など、見落とすと後悔しやすい条項が多く含まれます。「最終契約書(SPA)で必ずチェックすべき10の条項:売り手が見落とすと後悔するポイント」と「表明保証とR&W保険:M&A契約のリスクを売り手・買い手で適切に分担する仕組み」で要点を確認してください。

あわせて、経営者が会社の借入に付けている個人保証の解除も重要な論点です。解除の段取りは「経営者の個人保証を解除する:M&A時に必ず守るべき5つのポイント」で整理しています。契約後、代金の決済と株式の引き渡し(クロージング)を経て、売却は成立します。

ステップ6:売却後の引継ぎと、経営者自身のこれから

成約はゴールであると同時に、引継ぎのスタートでもあります。多くのケースで、売り手経営者には一定期間の引継ぎ関与(顧問就任や代表継続など)が求められます。その期間・役割・対価の決め方は「会社売却後の経営者の関与:引継ぎ期間・ロックアップ・キーマン条項をどう決めるか」で解説しています。

売却後の統合プロセスで元経営者がやるべきことは「M&A後の経営統合(PMI):売却後に元経営者がやるべきこと」にまとめています。従業員や取引先の不安を和らげ、事業をなめらかに引き継ぐことが、結果的に自社の評価と信頼を守ります。

手元に残る金額と税負担、そしてその後のセカンドキャリアは「会社売却後の創業者利益:手取り・税金とセカンドキャリアの選択肢」と「退職金と税金対策:M&A売却金を最大化する税務スキームの基本」を参考にしてください。売却は終わりではなく、次の選択肢を広げるための一歩です。

まとめ:全体像を持ち、早めに一度相談して現在地を知る

会社売却は、目的の整理から相談先選び、価値の把握、相手探し、交渉、デューデリジェンス、最終契約、引継ぎまで、段階を追って進みます。全体像を持っておくと、各段階で何を準備し、何を確認すべきかが見え、不利な条件や思わぬつまずきを避けやすくなります。

初めての売却で迷いやすいのは、「まだ具体的に決めていないのに相談してよいのか」という点です。実際には、目的や条件が固まっていない段階でこそ、専門家に現在地を整理してもらう価値があります。情報管理の観点からも、我流で動く前に相談するほうが安全です。

M&Aプロフェッショナルズでは、M&A仲介会社・買い手FA・売り手FAを、得意業種・対応規模・所属コンサルタントの実績から比較できます。まずは自社の状況を整理し、目的に合う専門家に相談することから始めてみてください。買い手FAを選べば、売却時の手数料は0円という選択肢もあります。

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